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背景
シ カゴ気候取引所は、世界ではじめて、多国籍、多業種の参加する温暖化ガス削減及び取引のための自主運営に基づく取引所である。北米の民間企業、自治体、そ の他組織により設定された初めての業種横断的な任意目標に基づき、温暖化ガス削減のための市場を設立することを目標としている。
目標
シ カゴ気候取引所の目標は、費用効果の高い温暖化ガス排出削減手段を取引所のメンバーに提供するため、市場原理に基づいた排出削減及び取引プログラムを構 築、運営し、その中で、高い柔軟性や、取引費用の抑制、厳しい環境基準、技術革新努力が報われるような環境等を提供することである。メンバーは、温暖化ガ ス排出削減のための任意の、かつ法的強制力を持つ目標値を定めており、試験プログラム最終年である2006年までに、1998年から2001年までの平均排出量から4%削減することを目標としている。取引所の目標は以下のようなものである。
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->北米における、業種横断的な温暖化ガス排出削減の任意的合意及び、市場を利用した排出削減プログラムの実施可能性を示す
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->業種や国境を越えた、かつプロジェクトベースの排出削減を加えた温暖化ガス「キャップ・アンド・トレード」(cap-and-trade)制度の実行可能性を示す
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->価格形成及び市場情報の生成・伝播のメカニズムの確立
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->温暖化ガス排出削減の方法、場所、及びタイミングの選択肢を増やすことにより、対費用効果的な、排出削減を可能にする
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->取引に際しての取引費用を抑制する
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->温暖化ガス削減取引のための制度やインフラの構築及び人的資本の養成
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->排出量管理の改善の促進
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->他の国際的または国内取引制度との整合化
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->革新的技術や革新的マネージメント手法導入努力が報われるような市場のあり方を開発する
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->持続可能な農業と森林管理の促進
制度設計
対象範囲(参加者)
シカゴ気候取引所のメンバーは2006年までに、ベースラインとなる1998年から2001年までの平均排出量から4%削減するという任意の、かつ法的強制力のある目標を設定している。2003年中の排出目標はベースラインからの1%削減であり、2004年中は2%、2005年中は3%、2006年中は4%削減となっている。アメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコにおける温暖化ガス排出者及び排出削減プログラムが対象となっている。
取引所の削減目標及び排出権取引は、2003年10月から2006年にかけての試験期間中に有効となる。ここでは二酸化炭素換算し、CO2e(脚注1参照)の単位で取り扱われる6種類すべての温暖化ガスが対象となる。二酸化炭素以外の温暖化ガスはIPCCにより提案されている100年の地球温暖化係数(Global Warming Potential)を用いて二酸化炭素換算トン(metric ton)で表される。地球温暖化係数はそれぞれのガスに関して異なった値をとる。
取引プログラムの種類
シカゴ気候取引所はキャップ・アンド・トレードプログラムを採用している。
導入
シカゴ気候取引所は2003年10月より事業を開始した。
取引単位
シカゴ気候取引所における排出量測定、報告、価格表、取引などの単位は二酸化炭素換算のトンである。同取引所においては取引排出割当(XA: Exchange Allowance)と取引オフセット(XO: Exchange Offset)の二つの取引単位が採用されている。これら二つの単位はカーボン金融証書(Carbon Financial Instruments)と呼ばれる。それぞれのカーボン金融証書は二酸化炭素換算100トンに対応する。
単位の配分
取引排出割当は4年間のプログラムへの参加時に、取引所の各メンバーに対して発行される。取引排出割当の配分はシカゴ気候取引所の排出削減スケジュール、及び各メンバーのベースラインに基づいて定められる。メンバーの排出ベースラインは1998年から2001年の間の各施設からの平均年間排出量で決められた。取引排出割当は森林による炭素吸収分及び電力利用量削減分に対しても発行される。
取 引オフセットは、温暖化ガス排出削減のプロジェクトが実施され、必要書類がシカゴ気候取引所に提出された後発行される。プロジェクトの資格要件、ベースラ イン、削減量の確定、及び排出量の監査・認定などに関する規則は、取引所のルールブックで明細に規定されている。取引オフセットは2003年から2006年の間に実現した削減トン数を基に割り当てられる。1995年1月1日以降に実施されたもののみが対象となる森林プロジェクトを例外として、それ以外のプロジェクトに関しては1999年1月1日以降に実施されたものが対象となる。対象となるプロジェクトの種類は、当初の時点で、以下のものである。
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->埋立地におけるメタン破壊 (アメリカ)
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->農業地におけるメタン破壊(アメリカ)
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->森林による炭素吸収(アメリカ)
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->農業用地による炭素吸収(アメリカ)
<!--[if !supportLists]-->- <!--[endif]-->燃料転換、埋立地におけるメタン破壊、再生可能エネルギー及び森林プロジェクト (ブラジル)
取引排出割当と取引オフセットは、ビンテージ年(脚注2参照)を指定して、シカゴ気候取引所登録簿に記載さる。これらの金融証書は目標遵守(compliance)のために明け渡される際には、全く等価のものと見なされ、指定されたビンテージ年、またはそれ以降の年に目標遵守のために利用できる。
監視と執行
取引所はルール、監視、取引に関して自治的な機構の上に運営されており、両金融証書の登録及び移転を記録する中央データベースが利用されている。
取 引所のメンバーは、年末時点で、自分達の排出をカバーするのに充分なカーボン金融証書(取引排出割当又は取引オフセット)を確保していなければならない。 十分な金融証書を保有していない場合は、市場においてこれらを他のメンバーから追加的に購入しなければならない。充分な金融証書を確保できなかったメン バーには罰金が科される。
預け入れ及び借入れ
利用されなかった取引排出割当と取引オフセットはシカゴ気候取引所ルールブックに定められた規定内で、後年に利用すべく「預け入れ(banking)」をすることができる。ルールブックは、これらを指定されたビンテージ年以前の年において目標達成のために利用することは認めていない。すなわち、将来の割当を現在の目標達成のために借り入れて利用することは認められていない。
シカゴ気候取引所の取引構成要素
シカゴ気候取引所における取引制度は、以下の3つの構成要素からなっている。
<!--[if !supportLists]-->1. <!--[endif]-->シカゴ気候取引所取引基盤 (The CCX Trading Platform)
シカゴ気候取引所取引基盤はインターネットでアクセスできる電子市場であり、取引所の登録簿口座保持者間で取引を実行するために用いられる。システムはSUN社のjava技 術が利用され、利用者各自の画面にリアルタイムで進行中の情報を提供する。基盤は市場における価格透明性の高さを特徴とし、注文のサイズやマーケット・デ プス(市場の奥行き)、チッカーなどを表示する。基盤システムは、匿名性の保てる多数の市場参加者によって成立する取引と、コンピューターシステム外で2者間の個人的な交渉により成立する取引の両方をサポートする。
<!--[if !supportLists]-->2. <!--[endif]-->清算・決済基盤(The Clearing and Settlement Platform)
清 算・決算基盤は、シカゴ気候取引所取引基盤から、個々の取引活動についての情報を毎日受け取る。清算・決算基盤はその日のすべての取引に関する情報を処理 し、各取引参加者の最終的な純取引高を計算し、決済のための支払指示を提示する。取引があった時にはメンバーに日報が届けられる。すべての変更は、シカゴ 気候取引所登録簿に記録される、口座保有者のカーボン金融証書持ち高に自動的に反映される。
<!--[if !supportLists]-->3. <!--[endif]-->シカゴ気候取引所登録簿
シカゴ気候取引所登録簿は電子データベースであり、登録簿口座保有者により保有されるカーボン金融証書の記録及び移転メカニズムを公式に管理するものである。3つの構成要素は統合され、登録簿口座保有者には取引をサポートするためのリアルタイムデータが提供され、これによってメンバーによる排出ベースライン、削減目標、目標達成状況の管理をサポートするよう図られている。
成果
単位パフォーマンス
単位パフォーマンスに関する以下の情報は、シカゴ気候取引所ホームページの取引セクションより抜粋したものである。
価格指数及び取引量に関する情報は、4つの異なる割当ビンテージそれぞれに関して、2003年12月に取引が開始されて以来毎月公開されている。
価格は二酸化炭素換算1トン当たりで表示され、取引量の単位も同様に二酸化炭素換算トンである。
ビンテージ-2003年式
月 | 04年10月 | 04年9月 | 04年8月 | 04年7月 | 04年6月 | 04年5月 | 04年4月 | 04年3月 | 04年2月 | 04年1月 | 03年12月 |
期初値($) | 0.98 | 0.98 | 0.96 | 0.95 | 0.90 | 0.73 | 0.85 | 0.85 | 0.90 | - | 0.98 |
最高値($) | 1.53 | 0.98 | 0.97 | 0.97 | 0.94 | 0.92 | 0.85 | 0.85 | 0.91 | - | 1.00 |
最低値($) | 0.98 | 0.95 | 0.96 | 0.95 | 0.90 | 0.73 | 0.85 | 0.85 | 0.84 | - | 0.98 |
期末値($) | 1.53 | 0.95 | 0.96 | 0.96 | 0.93 | 0.92 | 0.85 | 0.85 | 0.91 | - | 0.98 |
取引量 | 105,800 | 6,100 | 1,700 | 3,000 | 4,200 | 63,800 | 100 | 100 | 6,500 | - | 7,400 |
ビンテージ- 2004年式
月 | 04年10月 | 04年9月 | 04年8月 | 04年7月 | 04年6月 | 04年5月 | 04年4月 | 04年3月 | 04年2月 | 04年1月 | 03年12月 |
期初値($) | 0.98 | 0.96 | |
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